2017.10.05 木.

シリコンバレー・ビジネスセミナー「効果的な英語でのプレゼンテーション入門」- マーク加藤(Mark Kato)氏

シリコンバレービジネス
平成29年10月5日(木)に福岡アジアビジネスセンターセミナールームにて開催されました「シリコンバレー・ビジネスセミナー」の模様をリポートいたします。<br> このセミナーは平成29年10月25日(水)~11月3日(金)に行われた福岡県主催「シリコンバレーミッション2017」(http://www.digitalfukuoka.jp/topics/100/)に参加し、現地で商談やプレゼンテーションを行う予定の方や、その他一般の方でシリコンバレーに興味をお持ちの方や英語でのスピーチについて知りたい方を対象にに行われたものです。

Silicon Valley-Japan Business Consulting CEO

マーク加藤(Mark Kato)氏

マーケティング及びビジネス・ディベロップメントの専門家。Hewlett Packard,Agilent Technologies,Advanced Micro Devicesなどに従事し,日米での豊富なビジネス経験あり。日本の大学・地方自治体等でも年間40-50 回の講演活動を実施。シリコンバレーにおけるマーケティング戦略,セールス資料作成、プレゼンテーション作成,技術セミナーの実績があり、現在、Silicon Valley-Japan Business ConsultingのCEO。
2013 年からJETRO のシリコンバレー・イノべーション・プログラムでも若手起業家の育成に尽力。ボランティア活動にも積極的で、2008~2010 年Keizai Society のCo-President,2014 年Board Memberとして活動。2010~2014 年US-Japan Innovation Award 選考委員。2013年サニーベール妹都市協会の初代プレジデントとして、福岡県飯塚市との草の根運動を始めるなど多方面で活躍中。電子工学専攻。

Silicon Valley-Japan Business Consulting Corporate site

…

ーーーエンジニアにとって、プレゼンテーションの機会が増えてきていると感じる今日この頃。
毎年行われているRubyKaigiでも英語での講演を聞くことはもちろん、日本人でも英語でスピーチをする方もいらっしゃいます。
でも、いざスライドを作ろうとしても、どうしたらいいのかわからず、日本語直訳にしてしまってはいませんか?

今回のセミナーは、2017年10月末に行われた福岡県主催の「シリコンバレーミッション2017」に参加する方向けのもので、参加者の中には現地(シリコンバレー)での英語でのプレゼンテーションに向けての準備としてこの講演を受講されている方も多数見られました。
もちろん、それ以外の方にとっても、大変ためになる、目から鱗のお話をお聞きすることができました。

1. イントロダクション


ーまず最初に、加藤氏より参加者の皆さんに、英語のレベルに関する質問がありました。

英語のレベルについて

  • アメリカやイギリスに住んでいたバイリンガルの方
  • 英文科卒、あるいは英会話クラブに所属していた方・日常会話が話せる程度(サンドイッチが注文できる程度:色々聞かれるので)の方
  • 全く自信ない方

英語のプレゼンテーションをやったことがある方

  • 10回以上
  • 5回以上
  • 1回
  • 全くない方

上記アンケートの結果、アメリカやイギリスに住んでいたバイリンガルの方は少数、英文科卒など、日常会話が話せる程度(サンドイッチが注文できる程度:色々聞かれるので)の方が大半で、全く自信ない方は少数と、さすがに、このセミナーを受講する方々なので、ある程度の英語のレベルやご経験がある方が多かったようです。
プレゼンテーションについても、前回のシリコンバレーツアーに参加した方や実際に海外で経験されている方も参加されており、それによって、今回のセミナーの内容は全体的にレベルが高めのお話をされたように思います。


自己紹介

加藤氏は、英語の大学の入学試験は0点、中学・高校では英語は大嫌いで全く勉強はしておらず、英語でのプレゼンテーションも経験がなかったとのことですが、ヒューレット・パッカード社に入社後、日本支社からアメリカの支社に異動になったため、1986年4月に渡米。最初のアメリカ人のボスに、「お前のミッションは、1年以内にアメリカの客先へ一人で行って、(英語で)8時間の技術セミナーを行ってくることだ」と言われ、次の年の1987年2月に、ケンタッキー州のルイビル (Louisville) で、いきなり8時間たった一人で、もちろん全て英語でのプレゼンデビュー。それ以来、プレゼンテーションをやり倒す日々。
その後も、ヒューレット・パッカード社で様々なトレーニングを受け、100以上のプレゼンテーションの経験を積み、今に至るとのことです。その経験と努力が実り、コンペティションで2位入賞も果たされたこともあるそうです。


今回のセミナーの目的

まず最初に今回のセミナーの目的として、以下のことが挙げられます。

目的

  1. 英語のプレゼンテーションを悩みなく進めていただくこと
  2. これが大事自分の伝えたいことを伝えること
  3. 「英語のプレゼンテーションを作るのが楽しい」と思えるようになること

そのためには、以下のことが言えます。

色々な人の意見を聞くこと

色々な人の独自のスタイルがそれぞれありますが、常識的な人の意見より、非常識な人の意見を聞いた方がよく、その中で、使えるものをいくつか自分のものとして吸収していくのが良いそうです。
加藤氏のスタイルは他にあまりないスタイルなので、参加者の皆さんもその点では、とても参考になるのではないかと思われます。

この日は、シリコンバレーでプレゼンテーションをする方が参加されていたので、その方達に向けて、メールやスカイプで個別にプレゼンテーション添削を行ってくださるということでした。

「テクニックを教えることは可能でも、”感性” は皆さんの天性のものなので教えることはできない、プレゼンテーションをするためには、感性は非常に重要です」と加藤氏。
皆さんのそれぞれの”感性”をうまく伝えるために、参加者の皆さんも熱心に聞き入っていらっしゃいました。


日本の方が英語でのプレゼンテーションをする時にありがちな失敗例

1. プレゼンテーションのストーリーができてない

日本人の論理の展開とシリコンバレー(アメリカ人)に対する論理の展開は全く逆

英語の発音なんてどうでもいい

アメリカ人はすごく優しい方が多いですし、シリコンバレーでは英語を母国語としない人種も多数いるため、発音が上手くなくても聞き取ってくれます。

三単現のSや過去形過去分詞形など、そんなことはどうでもいい。

一番大事なのはストーリー

ストーリーがしっかりしていれば、ほとんどプレゼンテーションは半分以上は成功したようなもの

2. マトを絞っていない

一枚のスライドに盛り込みすぎ。(日本の場合ほとんどが書き込みすぎの傾向)

情報が多ければ多いほどインパクトが弱まる。

これだというものに絞って絞って絞ってガン!と一発で一言で伝える。

3. 恥ずかしがらない

日本人は普段使わない英語を使うのは恥ずかしがりがちですが、そういうのは一切忘れてください。

恥ずかしがったら言葉が届かない。

英語は語尾が大事。恥ずかしがると語尾がはっきり伝わらない。

4. 練習不足

他人にスライドを作ってもらわない。

部下にスライドを作ってもらい、飛行機の中で一回くらいしか練習していないのではないか等一発でわかってしまいます。
そういうことでは何の感動も生まないプレゼンテーションになってしまいます。

基本的にプレゼンテーションのスライドは自分で作るもの。

他の人の作ったプレゼンテーションを行うことはあり得ません。
もし、他の人の作ったスライドを使う場合は、順番を変えたり、言いにくいところは削ったり、自分なりにアレンジして使いましょう。

5. 日本語のスライドを直訳したスライドを使用してはいけない

英語と日本語では、論理の展開が全く違います。
英語のスライドを作るときは0から英語で作りましょう。
加藤氏の場合は日本語のプレゼンテーションでも英語で先に作って後で英訳する時もあるそうです。

6. スライドを読む、原稿を読む、などはだめ

原稿を読むとストーリーが決まってしまうので、会場の聴衆の反応に合わせて臨機応変に対応ができなくなります。
聴衆の顔を見て、理解されていないようであれば、より詳しく説明するなどする必要性が出てきます。

7. 一方通行のプレゼンテーションになっている

登壇者がただ一方的にしゃべっているだけでは、聞いてる人がいても感動を与えないので、コンペティションなどでは減点対象となります。


理想的なプレゼンテーションとは

感動を与えるプレゼンテーション

簡潔で誰にでも理解できるようなプレゼンテーション

色々な国の人にも同じように理解してもらえるような言葉の使用や、内容を心がけましょう。

論理が終始一貫しているプレゼンテーション

熱意がある これが重要

質問が多く、双方向にディスカッションがある

聴衆が興味を示す内容であること。

聴衆の方に合わせてどんどん内容を変えていく。そのためにも原稿はない方がいい。

発表内容が革新的


2. 英文の書き方


加藤氏はアメリカに行ってすぐに夜間の大学に通い、日本ではあまり教えられていない英文の書き方を学びました。
これを知らなければ30年間、とてもアメリカで生き残れなかったというとても重要なもの。以下はその教科書等からの抜粋です。


英語を母国語とする人と日本人の英文の書方の違い

…

アメリカ人の場合

…

日本人の場合

英文では、最初に、YESかNOか、好きか嫌いか、出来るか出来ないか、それが一番最初に来ます。
そして、「それはなぜか(because of)」、という説明が次に来ます。非常に簡潔、単刀直入です。 日本語の場合は、人によってはメイン・ポイントが無く、グルグル回るだけの人もいます。それではインターナショナルの人には意図が伝わりません。

…

英文の書き方 日本人とシンガポール人の違い (スライドより)

アメリカ、シリコンバレーでは、気が短く時間の余裕がない人が多いため、英文も長いと読む気にならないようです。
また会話も長い場合は嫌われてしまいますので注意が必要です。短く簡潔に。
シリコンバレーの方達にとっては自分が儲かるか儲からないかにしか興味がなく、日本人がメールの始めに書きがちな季節の挨拶などは彼らにとってはどうでもよい、とのことでした。


アウトラインが重要

まず骨組みだけ先に作り、細かいことはあとで肉付けします。

英語の単語1〜3つくらいで(それがスライドのタイトルになる)日本語ではなく、基本的には英語でアウトラインを考えます。

付箋でグループ分けをしてみましょう。
…

いきなり書き始めないで、付箋で全部書き出して、バーっと置いてみます。
層別化(そうべつか:たくさんのものを、ある特徴によって、いくつかのグループに分けること)、グループ分けしましょう。
そして骨組みを書いていきます。
付箋に書いたものを全部喋らないとけないわけではなく、一番重要なのはストーリなのでストーリに合わないものは勇気を出して削ります。
それからアウトラインを書いていきます。


パラグラフの書き方

パラグラフとは

パラグラフとは、一つのことを述べる5〜10のセンテンスの集まりです。

インデント

1〜5文字分のスペースを空け、例えばI don’t like Baseball と書いて、またスペース2文字分を置き、一つのパラグラフが終わったら、また次のパラグラフの始まりは1行あけて次の行に1〜5文字分のスベースを空けて始めます。

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1つのパラグラフで1つのことを述べる

1つのパラグラフで1つのことを述べるようにし、別の事はまた次のパラグラフで述べるようにします。
例えば、最初のパラグラフで野球が好きではないと述べるとすれば、その次のパラグラフで私はサッカーが好きだと述べるようにします。
最初のパラグラフ内にサッカーが好きなことを入れ込むと、聞いている人、見ている人を混乱させてしまいます。パラグラフの最初だけを読んでいく、いわゆる斜め読みをしていると、見逃してしまいます。

パラグラフには決まった構造がある。

パラグラフには決まった構造があります。これを習得するのはものすごく大変で、加藤氏も夜間の学校の宿題をこなすだけで平日は約3時間、祝日は約7時間という長時間の勉強量で、大変な努力の末に身につけたとのことです。
11月にシリコンバレーに行かれてプレゼンテーションをされる方には間に合わないかもしれませんが、将来的にアメリカ、シリコンバレーに進出をお考えの方は、こういったものを勉強された方がいいでしょう、とのことでした。

パラグラフの構造

これは一例です。このパラグラフの書き方は、非常に簡単で、このテクニックを知るだけで論理の展開ができます。
もっと複雑なことをやりたい場合は、もっと他の構造もありますが、この構造をマスターすれば 90 〜 95 % の自分の言いたい英文を表現できます。

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パラグラフ 書き方 一例 (スライドより)


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トピック・センテンス

ここでは自分の訴えたいことを絞ります。
YESかNOか、好きか嫌いか、これから世の中を変えるのか変えないのか、強くバーン!と、短ければ短いほどよく、簡潔で明確なメッセージをここで送ります。
ここが一番大切なので時間をかけて考えるべき部分で、全文考えた後にもう一度戻ってきて何回も書き換えたりしてもいい、大切な部分です。

例)
遠足が楽しかった。

遠足といっても色々ありますが、ここでは、単純に大きな部分だけを述べます。


…
コントローリング・センテンス

ここが一番難しい部分で、日本人にはコントローリングセンテンスというアイデアがなく、加藤氏も最初はなかったそうですが、一番間違いやすい部分です。 トピックセンテンスよりもう少し細かく説明をする部分です。

例)
(遠足のもうちょっと細かい部分)
小学校3年の秋に上野動物園にいった遠足が印象に残っている。


…
サポーティング・アイデア

ここではより具体的な例をあげる部分です。ここは日本人が得意な部分で、逆に言うとここから始めがちで、そうすると混乱してしまう。

例)
1)象を見た事なかった。
あんなに大きいとは思わなかった。
2)鈴木文子ちゃんとランチを一緒に食べることができた。

こういった例を3つ〜5つほど(できれば数は少ない方がインパクトが強い)、 具体的な例をあげます。

日本人はよく箇条書きをしますが、それに比較してアメリカ人は、文章を書くのが得意なので、箇条書きはあまりしないようです。
もちろんアメリカ人でも下手な人もいて何をいっているのかわからない人もいます。
箇条書きというのは、ものすごく分かりやすいので、ここは箇条書きにしても構いません。

パラグラフの中では1つのことしか言ってはいけません。
例文のパラグラフは、楽しい、印象に残っている、といったことを書いていますが、例えば、「帰りのバスであんまり喋りすぎて先生に怒られて、げんこつを食らった」これは楽しかった例ではないので、これはこのパラグラフには書いてはいけません。
ですが、日本人が書きがちなメールでは、こういった一つのパラグラフ内にいくつもの例が入れられた内容のメールが多く、アメリカ人を混乱させてしまっています。
もし書きたければもう一つパラグラフを付け足してそこで書きます。


…
結論

最後の結論は、最初と同じことを伝えるわけですが、ちょっと違う表現で、繰り返しになりますが、一貫性のある内容を述べます。

例)
「遠足にまた行ってみたいと思います。」

楽しかった、印象に残ってる、行って見たい、そういう一貫性のある内容を述べます。


こういったパラグラフの構成であれば、アメリカ人を説得しやすいということです。

その他のパラグラフ・パターン

他にも色々な形式があり、だいたい6〜7つの構成がありますが、加藤氏が仕事で使っているのは前述の構成がほとんどで、他の構成を使うことは稀だと言います。

…

その他のパラグラフ・パターン (スライドより)


良い英文を書くコツ

終始一貫性を持たせる

訴えたい内容に合わないものは入れない。

どうしても入れたい場合は2つ目、3つ目のパラグラフに入れましょう。

易しい単語を使う。

和英辞典で引いた、難しい単語は大抵使い方が間違っている場合が多いようです。
英語は500ワードで基本的に伝えることが可能です。皆さんの知っている易しい単語で十分なのです。
難しい単語を使うと発音もむずかしく、プレゼンテーション中に忘れて飛んでしまい、後のプレゼンテーションがめちゃくちゃになることもあります。無理に使わない方が無難です。

KISS (Keep It Simple, Stupid)
ストーリーはばかばかしいほど簡単にしてください。

できる限り具体的に(Specific)

前述の例に出た、”鈴木文子”ちゃんのことは聞いてる人は知らないはずですが、聞き手が知らなくても、具体的な例を入れることによって、イメージが湧きやすく、現実味を帯び、印象が強くなります。
これは元オバマ大統領などがよく使っていた手法です。

文章の長さ

最近、日本人の英文メールは、一文が短く(choppy:途切れ途切れ)、ピリオドの後、なぜか行を変える方が多いようです。
日本語の場合も最近同じような現象が見られるそうです。
基本的には、改行の位置、スラッシュ、ハイフン、ピリオドなどには意味があり、そういうものを無視して改行をすると、読む人を完全に混乱させてしまいます。
特に行を変えるということは、そこでストーリーが変わるということなので、無闇に行を変えてはいけないのです。
後で読み直してみて、短いセンテンスの連続になっている場合は、接続詞や接続句(and、 but、although、because of ~など)を使って、文章をつなげてください。
アメリカ人から見て読みやすい文章とは、だいたい1行半くらいが良いようです。
5行〜10行などになるほど長すぎる場合は、1行半くらいに切って、読みやすい文章にしましょう。

スラングは使わない。

プロフェッショナルのプレゼンテーションでは、スラングは絶対使わないようにしましょう。
スティーヴ・ジョブスが行ったプレゼンテーションで使用されていた、
「Hi, guys!」
「I wanna 〜」
「I’m gonna〜」などはスラングです。
スティーヴ・ジョブスが使っていたからと言って、皆さんは使用しないようにしましょう。
その他、言ってはいけない政治的な表現、性的な表現などを使う人がたまにいるそうですが、皆さんはあまり知らないかもしれないので心配いらないかもしれませんが、使わないようにしましょう。

何回もチェック(誰かに見てもらう)

何回も何回も何回も読み直しましょう。

簡単な1行のEメールでも最低1回は見直しましょう。
重要であれば重要であるほど、何回も見直し、自分でも間違いが結構見つかるものです。
ものすごく重要な場合は、友達やネイティブの人にチェックしてもらいましょう。

例えば重要なメールを送る場合、水曜の夜に書いたとして、そのまま水曜日には送らずに、木曜の朝にもう一度見直します。
自分で書いておきながら、何を書いてるのか分からない場合もあったりします。
もっと心配な場合は、金曜日の夜にメールを書き、金曜には送らず、土日置いて月曜の朝チェックして送るとより良いでしょう。


パラグラフの書き方 例

パラグラフの書き方例 (スライドより)

これは物凄くいいパラグラフの例です。
このパラグラフは、前述のパラグラフの構成になっています。

ーー加藤氏から会場の参加者に以下の質問がされ、正解者には、ハロウィーンの時期だったこともあり、チョコレートのプレゼントが。お茶目な心配りで会場がとても和やかな雰囲気になりました。
(これもまた、参加者を飽きさせない、参加型の講演のとてもいいお手本ではないでしょうか。)

Q1. この中でトピックセンテンスは”English~”から始まって、どこまででしょうか?

A1. English is a strange language.
(英語は変な言語です。)

“strange”というのはとても強い言葉です。
こういった強い言葉で、短くバンッ!と自分が何を言いたいか伝えている点がポイントです。

Q2. そのトピックセンテンスの後からコントローリングセンテンスがどこまででしょうか?

A2. It is very confusing to people who learned another language first and are trying to learn English.
(別の言語を母国語としている人々が英語を学ぼうとすると、とても混乱します。)

コントローリングセンテンスというのは最初に出てきたトピックセンテンスをもう少し絞り込んだ内容ということでした。
トピックセンテンスで ”strange language” と書かれていましたが、次のコントローリングセンテンスでは ”confusing“ 、つまり同じことを言っているわけです。”English is strange”から”confusing”にNarrow down(絞り込み)しているというわけです。ここが重要です。

Q3. サポーティングアイデアがいくつか入っていますが、いくつのサポーティングアイデアがあるでしょうか?文章の数ではなく、いくつの内容・アイデアが入っているかの数を答えてください。

A3. 1つ

My friend Vinh Dao is confused about the difference between “the house burned up” and “the house burned down.” He wants to know if “the house burned up” means that the fire started at the bottom of the house and if “the house burned down” means the fire started on the roof. I explained that they both mean the same thing.
(私の友達Vinh Daoは “the house burned up” と “the house burned down.”の間の違いについて混乱している。彼は、 “the house burned up” が 「家の下から燃え始めた」という意味なのか、 “the house burned down”が「屋根から燃え始めた」という意味なのか、知りたがっている。私はどちらも同じ意味であると説明した。)

burned upとburned downとあるので、2つと答えてしまいそうになりますが、内容としてはたった1つ、友達がburned upとburned downとの違いで混乱しているがどちらも同じ意味だという、1つのサポーティングアイデアです。

最後に、パラグラフの結論は、以下の部分となります。
He walks away, shakes his head, and says that English is not a logical language.
(彼は歩いて離れ、頭を振り、英語は論理的な言語ではないと言います。)

この文章では、英語は、
strange  confused  not logical
と表現されています。

このようにこのパラグラフは、非常にまとまっているので、英語を母国語にしていない人にとっても、非常にわかりやすいパラグラフとなっています。


具体例

加藤氏は、「そんなに英文の書き方を勉強して何になるんですか?」とよく質問を受けるそうです。
以下の例からは、前述のパラグラフ等のテクニックをこれまでの数多くのプレゼンテーションでいかに活かして来られたかがわかります。

サニーベール 市議会でのプレゼンテーション(2016年6月21日)
http://sunnyvaleca.granicus.com/MediaPlayer.php?view_id=4&clip_id=1950 
加藤氏のプレゼンテーション(2 16-0240 Formalize the Current Friendship City Relationship with Iizuka, Japan to a Sister City Relationship Including Membership in Sister Cities International (Study Issue))は1:40:30辺りから

加藤氏は5年前にサニーベルにSunnyvale Sister City Associationを設立されました。
サニーベルは、どちらの都市とも姉妹都市とはならないという法律があったそうですが、4年前に飯塚市と友好都市(Friendship city)となり、友好都市から姉妹都市に格上げするために、色々な作戦を立て、何ケ年計画で外堀を一つずつ埋めながら行っていき、その最後がこのプレゼンテーションだったということです。

前述のテクニック、パラグラフの書き方を使ってプレゼンテーションを行ったのですが、たった3分間で7人の市会議員を一発で納得させたとのことです。

アメリカ、シリコンバレーでは、目的を達成するためには、法律も変えます。
「日本では、こうだからできないんだ」と、できない理由を考える傾向があるようですが、できない理由を考えるくらいなら、やってしまおう、というのがシリコンバレーの人々の考え方です。
また、この加藤氏のプレゼンテーションの結果は、「プレゼンテーションには法律をも変える力がある」という一つの証明でもあるように思います。

MOOC(Massive Open Online Courses)でチャレンジしてください!

ーー「MOOC」(ムーク)とは、Massive Open Online Coursesの略で、大学などの高等教育機関が連携しインターネットを通じて講義をオンライン公開する取り組み、あるいはそのシステムを指す言葉です。(コトバンクより)

こちらは時間がある方にはおすすめの、オンラインで無料で世界中の一流大学の授業を受講でき、学位まで取得できるサイトです。

その中で、紹介するのは、
College Writing 2x.1, Principles of Written English
という、英語を母国語としていない英語の学習者を対象とした入門レベルの大学のコースです。文章構造、編集、改訂、段落開発の問題をカバーしています。コースにはクイズやエッセイなどもあります。


3. プレゼン作成の前に


具体的なプレゼンテーションの作り方

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プレゼン作成のプロセス (スライドより)

プレゼン作成はこのようなプロセスで、作成をして行きます。
このプロセスを無視して、日本人は「肉付け」(細かいどうでもいい話)から始めてしまう傾向があるようです。
これが大きな間違いです。

骨組みを先に作って、骨組みに合うデータだけを集めます。

まずは骨組みを先に作らないといけません。
単純化するために、後からomit(省略、省く)するデータが結構あります。
先にデータ・ネタを集めてしまうと、1週間など時間をかけてデータを集めたのに使わないと勿体無い、だから入れてしまおうとする、そうするとストーリーに合わなくなってしまいます。
それから、見直しを行います。


目的を決める

プレゼンテーションの目的別対応策

ベンチャーキャピタルから資金調達

売り込み先、顧客向け、セールス

パートナー(企業・個人)を探したい

聴衆はどんな人か

審査員が誰かを知ることが重要(彼らが興味持っていることは何か)

ベンチャーキャピタルの場合:

  • 投資したお金がいつ返ってくるか
  • 投資したお金が何倍になって返ってくるか

マーケティングの場合:

  • マーケティングのセンスがあるような内容
    (市場内動向がどうなっているか、市場がこれから大きくなっていくとか、この市場がこういうものが必要とされている、こういうとこが困っているなど)

同様に色々な目的によって内容を考える


一つのプレゼンテーションは1回だけ

日本から来る方のプレゼンテーションは、10社行うとして10社全部が同じ内容になっている事が多いそうですが、これではダメです。その一社に完全にカスタマイズしたスライドを準備する必要があります
勿論、今回のプレゼンテーションも、この日のためだけに用意していただいたとのことです。
どこが違うのか、それは、まず、表紙の日付、「福岡の皆さんへ」また会社名などといった部分です。

内容的にも、会社によって内容が違う場合もありますし、大学、高専などの場合は学生に分かるような話にしますし、同じことを社会人向けに行うこともあります。それぞれの理解度に合わせて内容は変える必要があります。
また講演時間によっても勿論変わります。例えば次の土曜日、中小企業の経営者向けに150人ぐらい集まって5時間行われますが、今回の1時間半のセミナーとは話す内容も量も、当たり前ですが全く変わって来ます。
全てのプレゼンテーションがそれぞれ違います。一つのプレゼンテーションは1回だけ、これが基本です。


他に考慮する項目

訴える内容

「何を一番訴えたいのか」という事です。
ここで間違えてはいけないのが、日本の場合は、テクノロジーの押し売りばかり、技術的な話が多いのですが、それがポイントになってしまってはいけない、という事です。
聞いている人はテクノロジーに全く興味がないのです。

4Gがどうだ、LTEがどうだ、などはエンジニアの独りよがりであり、押し付けるべきものではない。
聴衆にぐさっと刺さるものでなくてはならない。
聴く人の身になって、生活がもっと楽になりますよ、といった内容にすると良いとのことです。

時間・スライドの枚数

時間の配分、スライド1枚につき2分などを決めておきましょう。

場所(機材)

よくありがちなのは、
PCとうまく繋がるか
音声が繋がるか
ホワイトボードのペンのインクが出るか
こういったことを(必ず30分前には)早めに来てチェックしておきましょう。

時間帯

朝一番が一番いい時間帯
昼休みの直後が一番悪い時間帯
対策: 最初にジョークを固める、チョコレートなどをバンバン配るなど
15時からは昼休み直後よりはまだいい。

QA(質問事項)はあるか?

QAがあるかどうかで準備が2倍違います。
ありそうな質問に対する答えを予想して作っておくといいです。

その他

パワーポイントでスライドを作成する時に、左側にアウトラインというタブがありますが、そこで書いた1行が一枚のスライドとなる用に作成すると良いでしょう。


4. 作成から発表(作成前)


初めから英語で作る

理由:
1)英語でやった方が単純化できる
ほとんどの日本人は英語が得意ではないので、使う単語が限られており、そのためストーリーが単純になります。

2)日本語と英語では文の構造が違うから
今までの日本語のスライドは使わないで下さい。一部の写真などをペーストする等はOK。

スライドの作成

スライドの初めの部分が一番大事で大変なので時間をかけて作る。何回も見直し、作り直す。
簡潔なスライド
スライドからスライドへのスムースな導入があること
豊富な具体例(前述の”鈴木文子ちゃん”などのように)
聴衆に飽きられないように工夫が必要(質問をして興味を引きつける、チョコレートを配るなど)
凝りすぎないこと(さじ加減が大事)

見直し・修正

スライド(ストーリー)の流れを何回も見直して下さい。
声に出して練習して下さい。目で追ってできても声出してうまくできない場合がある。
言いにくい部分は何か問題があります。見直しましょう。
ストーリーに合わないスライドは除きましょう。
細かい修正(何回も何回も修正します)
フリーズ(もうスライドの内容をこれ以上変更しない)する時期を決め、そのあとは変えない。
前の日の18時でスライドの変更・修正はストップ、フリーズして下さい。
そこからはスライドはいじらず、むしろ練習して下さい。そこから5〜6回くらい。
20〜21時にはやめて下さい。睡眠は大切で睡眠を取っていないと失敗します。


完全な事前準備

聴衆の時間を大切に

スライドの順番を間違ったりして、10秒を無駄にしたとします。
20人の聴衆がいたとしたら、その聴衆の10秒×20人の時間を無駄にしたことになります。
加藤氏は、聴衆の皆さんの時間を尊重しているので、そんなことが起こらないように、以下のような準備をしているとのことです。

ドライラン

重要な発表であればあるほど、ドライランというものをよく行います。
実際の本番と同じプレゼンテーションを行なってみます。
実際の聴衆と同じレベルの人の前で行うことが望ましく、聴衆からのフィードバックを受けて、修正をしていきます。

自己練習

実際にスライドを使い、声を出して行います。

時間の計測

もし3分のプレゼンテーションであれば、本番では何か事故が起こる可能性があるので、自己練習の時は2分30〜2分40秒で終わるように練習を行いましょう。


発表直前

バックアップ

パソコンなどが壊れることがあるので、万が一の時には、誰かのパソコンを借りてでもプレゼンテーションが行えるように、USBメモリでデータを持参しましょう。USBメモリも2つ用意するなど。

資料・小物・ハンドアウト(配布物)

通常ハンドアウト(配布物)は必要ありません。紙は使わないでPCだけ持っていく、会社案内、資料、データシートなど、荷物になり、捨てられたりするので、渡す必要はありません。
スライドでさえ、必要ないかもしれません。
相手からスライドを下さいと言われたらプレゼンテーション後にメールで送りましょう。
それによって、この人はこの情報に興味を持っているということがわかり、メールアドレスを知ることができ、後のセールスにもつながります。
資料を渡していると、読めばわかるので、何も聞いてこられなくなってしまいますが、資料は渡さずに、相手から質問したい、知りたいと思わせることができれば、そのプレゼンテーションは正解、何もなければ失敗です。
だから通常は資料は渡さないで下さい。

リラックス

ここまでやれば、あとはリラックスするしかありません。
プレゼンテーションの10〜30分前、会場に入りましょう。
プロジェクタが動かない、パソコンが繋がらないなど、いろんな事故が起こる可能性があります。
ギリギリ5分前に入ってそのようなトラブルが起こったら、汗だくだくで焦ってしまい、そうなるとプレゼンテーションはめちゃくちゃになります。
そのためにも早めに来てリラックスしましょう。早く来て、参加者や他の講演者と名刺交換や雑談などしてもいいでしょう。
そうすることで聴衆もリラックスし、場の空気も柔らかくなりますし、発表する側もリラックスできます。


発表のコツ

恥ずかしがらない(自信を持つ)

自分のプレゼンテーションは自分が一番よく知っているわけですから、間違っても聴衆の方は気づかないので大丈夫です。
恥ずかしがらずに、自信を持って行いましょう。

大きな声で、語尾をしっかり

大きな声で、堂々と。英語の場合は特に語尾をしっかりしましょう。

訴えたい事を絞る、そして繰り返す

訴えたいことは絞って、重要なことは繰り返し繰り返し言いましょう。
加藤氏のこのプレゼンテーションでも大事なことは何度も繰り返されていました。

スライドを読まない

スライドを読んでいるとコンペティションなどでは減点対象となります。
引用文やデータの書かれたインデックスカードなどは読んでも構いません。

聴衆の参加

なるべく聴衆を参加させる工夫(質問、クイズをしてみる、挙手をしてもらう等)をしましょう。
(ピッチコンテストの時はこれに当てはまりません。)

スライドを体で隠さない

スライドの前に立って隠してしまう方もいるので注意しましょう。

アー、ウーを無くす

加藤氏自身、自分の講演の録画を見てみると、スライドが変わる度に、and〜と言ってしまっていたといいます。
癖などで言ってしまいがちな方は気をつけましょう。

ジョークを入れる

アメリカではジョークはとても大切です。
誰でも分かって、嫌らしい内容ではない、クリーンジョークでなければなりません。
特にアメリカは性的な表現にものすごく厳しいようです。

小物・メディアを利用する

加藤氏の場合、よくチョコレートを配ったりしているとのことです。動画を見せたりなども。

アクセントをつける

リズムが大事です。テンポよくアクセントをつけて話しましょう。

体を動かす

会場を歩き回ったりしてみるなど

間を置かない(英語 リズムが大切)

英語の場合はリズムがとても大事なので、練習を何度もして、間を置かないように。
練習をしていないと言葉に詰まってリズムを狂わすようなことをしがちですがそういうことのないようにしましょう。

逆に間を置く(強調)

間を置くと聴衆を注目させる効果があるので、1回のプレゼンテーションで1回か2回、重要なことをいう時は使ってみるといいでしょう。

原稿を読まない (カード 可)

原稿はいけませんが、インデックスカードは許されます。
例えば、他の人の言ったことを引用するなどquote文を読むためのカードはOK。データを参照するのもOK。

スライド間のスムースな移動

リズムを乱さないために重要です。本番を想定して練習を何度も行ってスライド間のスムーズな移動を心がけましょう。


5. 質疑応答について


質問の意味が分からなければ聞き返す

I’m sorry, I can’t understand you.と言っても失礼ではありません。
アメリカ人でも直接的で無い人もいます。
日本人のように結論までぐるぐる長い時間を要する方もいます。結局何を言いたいのか分からないこともあります。
そんな時には遠慮せず、I can’t understand you.と言っても大丈夫です。

質問を繰り返す、あるい 確認をする

広い会場で、前の方で質問されて、後ろの方に聞こえない場合もあるので、その質問を繰り返して、「今この方がこういう質問をされましたのでお答えします」と伝え、お答えしましょう。

自信を持って、即答(リズムが大切) 、結論を先に

何か聞かれたら即答、1秒2秒の間に返答しましょう。その一つのコツは、最初に結論を言うことです。

“Yes”, “No” 、“I don’t know” は勇気を持って言いましょう

Yes or No
I don’t know  勇気を持って言いましょう。

明らかに答えを持ってないのに「ah…oh」と一生懸命答えようとしてしまいがちです。
10個聞かれて10個 I don’t know はだめですが、2つくらいならOKでしょう。

想定質問集を作っておく

良い答え方例:

Oh! That’s a great question! I’m sorry I don’t have an answer now. Maybe, let me talk to later after this presentation.
(おぉ!それは素晴らしい質問ですね!すみませんが、今はお答えできません。もしよろしければこのプレゼンテーションの後お話しさせてもらえますか?)

と言って、終わった後にその方の元に即、行って名刺交換して、emailで返答をしましょう。
わからないのに、その場で調べていると、そこで時間を使ってしまい、完全にリズムが崩れます。
他の聴衆の方にも迷惑がかかってしまいます。

個人の興味で質問してくる方、他の方は全然興味がない、その人だけが興味あることだった場合:

Ah… That is a very sophisticated question, so maybe answer to you later personally.
(あぁ…それはとても洗練された(知的な、教養のある)ご質問ですね、もしよろしければ後で個人的にお答えしてもよろしいですか?)

回答のスライドをバックアップに用意しておきましょう

ストーリーに合わなくて、省いていたスライドなど、何か質問があった場合、必要に応じて出して返答に使用するといいでしょう。

ドライラン時に質問・返答の練習を

質問想定問題集を作っておき、ドライランの際に聴衆の方に質問してもらい、練習しておきましょう。ドライランの聴衆は本番の時と同じくらいの知識レベルの聴衆の方が理想です。

この何枚目のスライドでだいたい何分、と言う目安を2箇所くらい作っておく

時間通りにプレゼンテーションを行うための目安を作っておきます。
練習する時は、通して練習するわけでなく、目安から目安を区切って行うといいでしょう。


6. 短いプレゼンテーション


短いプレゼンテーションは、短ければ短いほど難しく、強烈なインパクトを残し、無駄を全て省く必要があります。

ピッチ・コンテストやコールド・コール

難しい
強烈な印象が必要
無駄をすべて省く
PSR (Problems-Solutions-Results)


PSR(Problems-Solutions-Results)

Problems
1枚目のスライド:
世の中がこう言うことで困っている、聴衆が「うんうん、そうだね」と思うようなスライドが一番いい。

Solutions
2枚目のスライド:
その問題をこう言う形で解決したら世の中良くなるのではないのではないでしょうか?
ここでは会社名やテクニック、商品名は出さない方がいい。押し売りのような印象を与えてしまいます。
そうすると聴衆の心にすーっとは入らず、素直に受け止めてもらいにくくなるでしょう。

Results
3枚目のスライド:
2枚目のその結果、使用前と使用後を比較してみせましょう。

こう言う形で見せることが、加藤氏の言うPSR (Problems-Solutions-Results)とのことです。


Guy Kawasaki 10-20-30 Rule

appleの有名なエヴァンジェリスト。macを世に出したマーケター。
彼のテクニックで10-20-30 Ruleと言うものがあります。
https://guykawasaki.com/the_102030_rule/

例えば、
講演時間が1時間であれば
スライド10枚
プレゼンテーションの時間は20分
文字の大きさは30point以上

これを10-20-30 Ruleと言います。

スライド 10

1. Problem(問題提起)

2. Your solution(解決方法)

ここでいかにガーン!と伝えるかが大切。

3. Business model(ビジネスモデル)

4. Underlying magic / technology(基礎となる魔法/技術)

ほとんどの人はテクニックに興味を持たないので、短時間の場合はまず最初に削る部分です。

5. Marketing and sales(マーケティング&セールス)

将来、どういった形でセールスが伸びていくか、マーケットがどうであるかを述べる部分です。

6. Competiton(コンペ)

競合相手とどう違うか。全体で比較して、そんなに重要ではない部分です。場合によっては省いても構いません。

7. Team(チームメンバー紹介)

もしチームの中に医師やノーベル賞を取った人がいるなどであれば紹介すると良いですが、紹介することが逆効果になることもあるので加藤氏は通常はほとんど紹介しないそうです。

8. Projections and milestones(予測とマイルス トーン)

3年目から黒字にする、ここまでに●●を作る、など

9. Status and timeline(ステータスとタイムライン)

発表までのスケジュール

10. Summary and call to action(まとめとアクションへの呼び出し)

今まで発表したもの、どう言うことをこれからやるか

プレゼンテーションの時間は 20

残りの40分はQA(質疑応答)に使います。

フォントは 30 point以上

一枚のスライドにあまり文字を多く詰め込まず、文字は大きく。


短い時間のプレゼンテーション

短いプレゼンテーションの場合は上記の10枚全てではなく、以下の3〜5枚くらいに削る必要があるでしょう。
(枚数は表紙を除いた枚数です)

  1. Problem(問題定期)
  2. Your solution(解決方法)
  3. (Business model(ビジネスモデル))
  4. (Underlying magic / technology(基礎となる魔法/技術))
  5. 5. Marketing and sales(マーケティング&セールス)
  6. (Result(結果))

具体例

まごチャンネル
まごチャンネル

よくできたPSRの例として紹介されました。
こちらもPSRの形になっています。(約3分なのでアメリカの方達には少し長いとのことですが…)
遠く離れた両親へ孫の写真や動画を送り、それをご実家の両親がテレビで見て、いつも身近に感じることができるというサービスです。
社長が元apple社員だったり、GOOD DESIGN賞を受賞していたり、裏側にはものすごいテクノロジーがあるにも関わらず、一切テクノロジーの話がありません。
高齢者向けの製品なので、商品もPVもITリテラシーが高くなくても理解できるよう配慮をした作りになっているようです。

https://www.makuake.com/project/mago-channel/

スティーブ・ジョブス

Appleのプレゼンテーションは素晴らしいですが、Appleはマーケティング会社であり、マーケティングがうまいのはスティーブ・ジョブスが天才だったからと加藤氏。ジョブスのプレゼンテーションにはPSRがうまく使われています。

以下の動画はiPhone を発表するスティーブ・ジョブス(日本語字幕)です。
https://www.youtube.com/watch?v=L0XeQhSnkHg
All about Steve Jobs
http://allaboutstevejobs.com/

まとめ

単純明快、絞ったものがいい

…日本の典型的なプレゼンテーションのように時間かけてごちゃごちゃしたものではなく

英語でも悩まず作成

自分の意思が伝わるプレゼンテーションを

時間はぴったり守って

ユーモアに溢れた、楽しみながらも勉強になる、非常に濃い充実した時間となりました。
エンジニアの皆さんも今後はこういった国際的な場でのプレゼンテーションを行うことが増えてくるかと思います。
そんな時には、是非!こちらを参考にしていただければと思います!皆さんの国際的なご活躍をお祈りしております!


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